コンシェルジュの小部屋「混紡繊維の特性」

「コンシェルジュの小部屋」ではオーダースーツの奥深さや、私自らが日頃経験した出来事などをコンシェルジュの目線でお伝えしていこうと思っております。片手間にお読み頂き、少しでも「オーダースーツ」に興味をお持ち頂ければ幸いです。

オーダースーツの豆知識「コンシェルジュの小部屋」


今回は、最近オーダーの生地素材としても多種多様な繊維が使われている事にスポットを当て、お客様に分かりやすく繊維の特性を御説明していきたいと思います。

まず、ウールやモヘアやコットンやシルクやリネン等は天然繊維に分類され、ポリエステルやポリウレタンやレーヨンやナイロン等は化学繊維に分類されます。

天然繊維は絹を除き、繊維長が短い繊維を撚り合わせて一本の長い糸にする紡績という工程が必要となります。

短い繊維を合わせて作っていくので一本の糸の中でも太さや形状が不均一になり、それが天然繊維ならではの味となります。
それに対し化学繊維は、人工的に1から作られる物であり、均一の長い糸を作ることが出来る為、綺麗な生地を作ることが可能となり、尚且つ機能面での性能を付加しやすく、取扱いやすさもある為、多様な製品にも多く使われております。

当サロンにも、様々な混紡繊維の生地があり御客様の用途等をお伺いしながら、希望の生地をお選びいただけます。

混紡繊維の特性
混紡繊維の特性

混紡繊維の特性

2種類以上の異なった繊維を混ぜて糸を紡ぐことを混紡といい、混紡する事によって種類の異なる繊維同士の長所を高め、短所を補った新たな繊維が出来上がります。

分かりやすい例を挙げるとするならば、ポリエステルとコットンの混紡では、吸湿性は無いがシワにならないポリエステルと,吸湿性は高いがシワになりやすいコットンを混ぜて糸に紡ぐことで、アイロンがけの要らない形状記憶や形態安定等の機能性が高くなったワイシャツ生地などに変貌します。

各繊維の主な特徴をここで一部ですが御紹介致します。

コットン

吸湿性が非常に高く、繊維の内側と外側に湿度差が出来ると内側の水分を吸って、外側に放出しようとします。その際に気化熱を奪う為、衣服で使用した場合に、衣服内の温度が下がり、涼しく爽やかに着ることが出来ます。繊維の先端が丸みを帯びているので柔らかく肌触りが良い素材。

◇ ウール

繊維の表面に鱗のようなスケールと言われるものや、波状の屈曲のクリンプがあることで膨らみや弾力性を持ち、かつ空気層も多くもつ為、保温性に優れています。反面、非常に変形しやすい弱点があり、繊維同士が絡みあうフェルト化現象で毛玉等が出来やすかったり、家庭洗濯などにより縮みといった物性変化も起こりやすいデリケートな素材です。

リネン

天然繊維や化学繊維の中でも熱伝導性に優れており、熱を外部へ逃がす能力が大きいので、夏の暑さに適した素材です。コットンと比べると強度が強く、シャリッとした生地感があることも清涼感を増す要素となっていますが、水を含むと膨潤する為、収縮が起きてしまったり、シワが付きやすい等の弱点があります。

ウール・リネン・シルクを混紡した生地
ウール・リネン・シルクを混紡した生地はそれぞれの特徴を活かしつつ、欠点も補いあえるというメリットを併せ持った生地になります。

シルク

動物質の天然繊維の中で唯一の長繊維です。非常に美しくしなやかな繊維であり、高級素材として知られていますが、反面、経年によって黄変(きばみ)したり、染色堅牢度が良く無いなど取扱いの難しい素材でもあります。

ウールの保温性にシルクの光沢感を加えた生地
ウールの保温性にシルクの光沢感を加えたラグジュアリーな生地になっています。

ポリエステル

非常に強い繊維で濡れても強度に変化が出ません。摩擦にも強く、吸湿性が少なく濡れてもすぐ乾き、かつ縮みも少ないのが特徴。シワになりにくい特徴も持っている為、様々な繊維と組み合わされている化学繊維のひとつです。

ウール混ポリエステル生地
ウールの物性変化の高さをポリエステルを加える事で縮み・強度のアップさせた機能性の高い生地に織り上がりました。

各繊維の特徴を活かしつつ、弱点をカバーできるように他の繊維と組み合わせて織り上げていく混紡繊維は、多種多様化した現代社会の様々なニーズによって日々生まれ変わっていく未来の繊維だと思います。

オーダーを通じて、様々な繊維の特徴を知って頂ければ、更にオーダーをお楽しみ頂けるようになる事でしょう。

当サロンはお客様1人1人のニーズに合わせた素材からの生地選び・スタイルのご提案を心掛けております。

皆様のご予約・ご来店を心よりお待ちしております。


IL GRANDITホームページ
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